最近、戦略の本を読んでいて、この一節が妙に腑に落ちた。と同時に、いま自分が向き合っている大きな壁の正体を、言い当てられたような気がした。
仕事において、目標を設定することはそれほど難しくない。こうありたいという「理想の姿」を文章にするだけなら、割とすんなりと筆が進む。現在、私は全社規模の目標策定という大役に挑んでいるのだが、やはり「目指すべき理想像」は比較的スムーズに描き出すことができた。
本当に難しいのは、ここからだ。
描いた理想を現実のものにするための計画を立て、戦略に落とし込み、実際に動かしていく。この「実行に移せるレベルのロードマップ」を描く作業が、驚くほど難航している。
理想は高く掲げられる。しかし、私たちのリソースはいつだって有限だ。限られた時間、限られた人員の中で、どうやってあの高い山に登るのか。全社という主語の大きさに、時折、気が遠くなるような錯覚さえ覚える。正直に言えば、いまは思考を巡らせすぎて、少し頭が痛い。
だからこそ、あの本に書かれていた言葉が胸に刺さる。 いくら綺麗で壮大な戦略を描いたところで、現場で汗を流す一人ひとりが「明日から何をすればいいか」分からなければ、それはただの絵に描いた餅でしかない。いい戦略の条件とは、極論、行動への結びつきやすさなのだ。
気が遠くなるほど難しく考えてしまう時ほど、原点に立ち返ろうと思う。 一気に山頂へ飛び移る魔法のルートを探すのではなく、誰もが迷わずに一歩を踏み出せるような、着実なステップとマイルストーンを置いていく。
私がいま成すべきことは、大層な理論を振りかざすことではない。みんなが「これなら自分も動ける」と確信を持てるような、そんな温かみのある、血の通った方針を作ることだ。
焦らず、一つずつ。しっかり行動に結びつく道筋を、この手で紡ぎ出していきたい。

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